藍地人物文更紗儀礼用布
インド、グジャラート、16世紀
広島県立美術館
Ceremonial cloth
Gujarat, India, 16th century
Hiroshima Prefectural Art Museum

カンガ | デザイン:西澤株式会社 | 日本、20世紀後半 | 個人蔵
Kanga | Designed by Nishizawa Ltd. | Japan, 20th century

はじめに 第1章 第2章 第3章 第4章 第5章 第6章

500年の時を経てなおも世界に流通するインド更紗の遺伝子。
更紗の時代は終わらない。

 数千年の昔、インドの地で、茜を用いて色鮮やかで堅牢な染を施す技術が開発されました。木綿という優れた機能を持つ、しかし染織の難しい素材でも、鮮烈な色模様を染めることが可能になったのです。こうした媒染模様染めと防染染めの技法を駆使して、濃密な文様で飾られた木綿布は「更紗(さらさ)」と呼ばれ、世界を経巡る貿易アイテムとなりました。
 更紗は遠く離れた地の人々を結びつけ、その交流は新しい美を創造するに至り、その美はグローバルな価値観として共有されていきます。本展覧会は、アジアからアフリカにかけて享受されていたインド更紗、大航海時代のヨーロッパ参入以後、急速に日本の文化に浸透していく更紗、ヨーロッパやアジア諸国で受容された更紗、インド更紗を目指してヨーロッパ、インドネシア、日本で創造された独自の更紗、さらに貿易布として長く命脈を保ってきた更紗の子孫ともいうべき現代のアフリカの布地を紹介します。それらを通して、人々が更紗を求め、美意識を共有し、交流した、約500年前から現在にわたる、さまざまな「更紗の時代」をたどります。

主催者
2014年10月

Foreword

Thousands of years ago, a technique was developed on the Indian subcontinent of using madder to produce colors that were both brilliant and color-fast. Madder is a difficult dyestuff to use, yet it made possible the production of cotton — a fabric with many very useful functions — that was decorated in vivid and colorful ways. Such cotton cloth, presenting luxuriant motifs that exhibited both mordant-dyed and resist-dyed patterns, was called sarasa. So successful and popular was sarasa that it was eventually traded all over the world.
Sarasa connected people from faraway lands, and its trade resulted in the appreciation of a new beauty that was valued globally. This exhibition will trace the diversity of the various "Ages of Sarasa," when, over a period of approximately five hundred years, the world recognized sarasa's aesthetic attraction and eagerly desired it.
Indian sarasa was enjoyed throughout Asia and Africa, and was introduced into Japanese culture after Europe's trade expansion during the Age of the Great Navigators. Aspects of the cloth were absorbed into European and Asian countries, with different cultures seeking to emulate the attractiveness of the original Indian sarasa. Examples of indigenous sarasa made in Japan, Indonesia, and Europe will be included in the exhibition. African prints, sometimes called "descendants of sarasa," will also be included, in keeping with their lineage as trade textiles.
We would like to take this opportunity to express our sincere appreciation to all the collectors who have loaned us their precious works, as well as to everyone who has given their time and effort towards the creation of this exhibition.

The Exhibition Organizers
October 2014

高校生、カンガをデザインする
12月に入って、一通の封筒が美術館に届きました。鹿児島県立明桜館高校から。表書きの 「カンガ」デザイン画在中 の文字を見て、どきどき。なんと、ギャラリートークを聞きに来て下さった、家庭科の鳥飼由紀子先生が、「服飾手芸」の授業でカンガを紹介してくださり、「カンガのデザイン」を自習課題としてくださったのです!生徒のみなさんは先生が購入してくださったカンガを身につけた上で、デザインをしてくださいました。どれも心がこもっていて、メッセージも一生懸命考えられていて、感激!!!全部紹介したいのですが、涙をのんで、その一部を。ケニアやタンザニアの方に見てもらいたいです。明桜館高校2年生「服飾手芸」選択の皆さん、カンガ素敵でした!鳥飼先生、知らせて下さって本当にありがとうございます。(I_I) 

2014年11月24日(月)

そして、更紗の時代は続く
人の思いや言葉には、未来を創る力があるという。
更紗が生命をもって、いろんな場所で生き続けるように、
展覧会のタマシイもきっと生き続けて、変転しつつ、
どこかでまた芽吹く。と、予言しちゃいます(笑)。
作品を出品して下さった皆様、見に来て下さった皆様、
支えて下さった皆様、本当にありがとうございました。
22日に竹口さんが書いてくださった、更紗の文章を、今こそ味わいつつ。(I_I)


2014年11月24日(月)

とっとっと@ケンビと「更紗の時代」、本日24日が最終です
ほぼ同じ時にスタートした、二つの展覧会が今日終わります。
実は、この2展は、そっと手をつなぎあっていたのでした。
福岡県立美術館の竹口学芸員が、当館のインド更紗の断片を、鹿児島寿蔵さんの紙塑人形と飾って下さると聞いた時、脈拍が早くなったものでした。
ひと月以上「有馬皇子」のそばにつき従っていた、インド更紗の罌粟の花たちは、今日その旅が終わると知っているでしょうか。

ふたつの展覧会、もう一度巡っていただければ幸いです。
16時からのケンビでのクロージングトーク、ぜひご参加ください!(I_I)


2014年11月22日(月)

インドからのお客様
この展覧会のために、急遽ビザをとってかけつけてくださいました。「更紗といえば、ロンドンのV&A美術館、と思っていたけど、これからは日本に問い合わせをすればいいわね。」とはいえ、この方はイギリスの雑誌でこの展覧会のことを知られたのですが…。ともあれ、世界が単線でなく複線でつながっていくことは、嬉しい事です!(I_I) 


2014年11月22日(月)

日本が誇るカンガ
11月16日、2度目のギャラリートークの日。超スペシャルなお客様がいらしていました。第6章で展示をしている日本製のカンガを実際作っておられた方々です。大同マルタ染工株式会社にお勤めだった吉岡悠さんと、昭南工業社にお勤めだった萩原理一さん。御年80歳を過ぎられたお二人が、関西からわざわざ出向いて下さいました。感激のあまり(許可もいただかずに)、トークの最後にお二人をご紹介し、当時のことなどお話いただきました。写真の右側が昭南工業社のカンガ。惚れ惚れするようなデザインです。左側が西日本新聞でも紹介された大同染工のグリーン・ワックス。その色の美しさゆえに売れに売れたそうですが、吉岡さんからは、驚きの発言が。「こんなに色が濃くて、みなさんこれを一度も使ってないとお思いでしょうが、何度も何度も洗濯しているのですよ。」この染料は、時を経る毎に色が深まるという、夢のような染料だったそうです。そして、美しい布を作っておられたお二人は、今も、ため息が出るほどおしゃれで格好良かったのでした。本当にありがとうございました。(I_I) 


更紗展の情報は、福岡市美術館facebookページでもお知らせしています。